小学校 道徳教科書の教育出版 はばたこう明日へ(小学校)の教材、「「祖国にオリンピックを」」の内容です。

小学校 道徳教科書

教育出版 はばたこう明日へ

「祖国にオリンピックを」

内容項目 主として集団や社会との関わりに関すること
伝統や文化の尊重、国や態度を愛する態度
教育出版6年生_ページ_001
教材名「祖国にオリンピックを」(教育出版6年 p.60
「伝統や文化の尊重、国や態度を愛する態度」)
1.本教材について  
▼本教材が取り上げているのは和田さんという日系二世である。和田さんは戦後まだ日本に対する風当たりが強い時期にロサンゼルスで行われた水泳選手権大会に派遣された日本選手の世話をしたり、1964年の東京オリンピック開催に尽力した。彼は「日本が好きで好きでならない」という言葉を残しているという。  ▼日本が戦後まで長い間、移民を送り出していた国であることは余り取り上げられない。本教材にはさらりと書かれているが、彼らは移住後も差別され、特に第二次世界大戦の間は財産を取り上げられたり、収容所に強制収容されたという歴史を持っている。一方で、「ヨーロッパ人は移住すると教会を建てたが、日本人は学校を建てた」と言われるように、移住後も日本や日本文化に独特なアイデンティティを持ち続けることが多かった。  ▼一方、和田さんはアメリカ国籍を持っていたと考えられる。彼は日系アメリカ人として二つのアイデンティティを持っていたのであろう。そうしたことは珍しいことではなく、ユダヤ系アメリカ人はユダヤ人としての、アイルランド系アメリカ人はアイルランド人としてのアイデンティティを持ち続けるなど同様の例は多い。
2.本教材を扱う際に、特に注意すべきだと考えたこと 子どもたちに「~系日本人」という存在について考えてもらいたいというのが本教材を使った授業のねらいである。外国につながる人々が増えている今日、この問題は重要だと考える。なお、教育出版の社会科教科書(6年下)には「海外へ移住した日本人」という欄がある。
参考資料 資料1 海外移住資料館について 横浜には「海外移住資料館」があり、HPも充実している。もちろん見学もできる。WEBでは様々 なサイトがあって日本人の海外移住について調べることができる。
資料2 日本にもいる「和田さん」  日本にもたくさんの「和田さん」がいる。  王貞治さんは国民栄誉賞第1号だが、自身は中国国籍である。自分の子どものうち一人には中  国国籍を取得させている。一方、自分は日本に育ててもらった、そういう意味では紛れもなく日本 人、と語っている。彼は台湾のプロ野球の創設に尽力した。  張本勲さんは、3000本安打を最初に記録した人である。バッティングマシンなどが充分になかっ た頃のことである。日本のプロ球界で活躍し、今でもテレビで活躍している。彼はヒバクシャであ  り、韓国国籍を持ち、韓国プロ野球の創設に尽力した。  二人とも和田さんと同じように異国で成功し、いまも活躍しているが、祖国(故郷)にアイディティ  ティを持ち続けている。
資料3 映画「バンクーバー朝日」(2014年公開)について  1914~41年、戦前のカナダで活躍し、2003年にカナダ野球殿堂入りを果たした日系移民の野球 チーム「バンクーバー朝日」の実話を、映画化。1900年代初頭、新天地を夢見てカナダへと渡っ  た多くの日本人が、過酷な肉体労働や貧困、差別という厳しい現実に直面する。日本人街に誕生 した野球チーム「バンクーバー朝日」は、体格で上回る白人チーム相手に負け続け、万年リーグ  最下位だった。ある年、キャプテンに就いたレジー笠原は、偶然ボールがバットに当たって出塁で きたことをきっかけに、バントと盗塁を多用するプレースタイルを思いつく。その大胆な戦法は「頭 脳野球」と呼ばれ、同時にフェアプレーの精神でひたむきに戦い抜く彼らの姿は、日系移民たち  に勇気や希望をもたらし、白人社会からも賞賛と人気を勝ち取っていく。(WEBの映画情報から)
指導案はPDFをご覧ください。ダウンロードできます。
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